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東京地方裁判所 昭和42年(ワ)3952号 判決

原告 富塚芳国

右訴訟代理人弁護士 林勝彦

被告 東調布信用金庫

右代表者代表理事 長久保定雄

右訴訟代理人弁護士 大林清春

同 藤井正博

同 池田達郎

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一、請求の趣旨

被告は原告に対し、金二〇〇万円およびこれに対する昭和四一年五月二四日から支払ずみに至るまで年六分の割合による金員を支払え。

訴訟費用は被告の負担とする。

との判決ならびに仮執行の宣言を求める。

第二、請求の趣旨に対する答弁

主文に同旨の判決を求める。

第三、請求原因

一、被告(以下被告金庫という。)は、昭和三八年大田区南蒲田一丁目一八番地に被告金庫の蒲田支店を開設した当時より、訴外大八木誠也(以下単に訴外大八木という。)を同支店の支店長代理に任命し、同人に蒲田支店の業務全般にわたり、これを処理する権限を付与していたものであり、訴外大八木は同支店における預金関係の業務を担当し、みずから支店長印を保管し、預金証書の発行、交付、金員の授受等の権限を有し、右業務の処理に当っていたものである。

二、訴外大八木の不法行為

(一)  訴外大八木は被告金庫蒲田支店支店長代理として就任中、

(1) 昭和四一年三月一三日ころ、原告に対して「被告金庫は同金庫が資金を援助している訴外有限会社城南特殊製線(以下、訴外城南特殊製線という。)に貸付をするため手続中のところ、間に合わないので一ヶ月くらいの間金一〇〇万円を訴外城南特殊製線に貸してやってほしい。被告金庫の右貸付手続が完了したら返金させるし、右原告の貸金債権を担保するため被告金庫発行の定期預金を原告に譲渡し、その証書を差し入れる。右譲渡について被告金庫は原告の要求次第いつでも承諾手続をするし、万一右貸金が返還されない場合には、原告において右定期預金をさげてよい。」旨申し向けて原告を信用させ、かねて訴外大八木が被告金庫より預り保管中の被告金庫の印鑑を使用して偽造した、被告金庫発行名義、田口計宛名義の定期預金証書(証書番号=蒲田支店第七七七二号、額面一八〇万円、期日同四一年九月二五日、利息年五分六厘)一通を原告に示し、同証書の交付と引換えに、原告が当時被告金庫に預け入れていた訴外筒井清太郎(以下単に訴外筒井という。)同新田健吉(以下訴外新田という。)各名義の各金五〇万円の通知預金を被告金庫より払戻させたうえ合計金一〇〇万円を訴外城南特殊製線に対する同年四月一二日までの貸付金名下に訴外大八木に交付させてこれを騙取し、

(2) 同年五月一日ころ、原告に対し右(1)と同様の方法で、訴外株式会社石忠工業(以下訴外石忠工業という)に対する同年五月一五日までの貸付金名下に金一〇〇万円を自己に交付させるため、かねて訴外大八木が右(1)記載と同様の方法で偽造した被告金庫発行名義の久保田とみ宛名義の定期預金証書(証書番号=蒲田支店第三七四五号、額面金一〇〇万円、期日同年八月二三日、利息年五分六厘)、および草野茂子宛名義の定期預金証書(証書番号蒲田支店第一七一九号、額面金一〇〇万円、期日同年一一月一一日、利息年五分六厘)各一通を示して原告を信用させ、右各定期預金証書の交付と引換えに、当時原告が被告金庫に預け入れていた原告名義の金三〇万円の通知預金二口および前記訴外新田名義の金五〇万円の通知預金合計金一一〇万円を原告をして払戻手続をさせたうえそのうち金一〇〇万円を訴外大八木に交付させてこれを騙取し、

たものである。

(二)  訴外大八木の右(1)、(2)記載の行為により原告は金二〇〇万円の損害をうけたものである。

(三)  仮に右(1)、(2)記載の訴外筒井同新田各名義の通知預金が原告のものでないとしても、原告は訴外筒井、同新田両名より、前記各通知預金を原告の責任において被告金庫より払戻したうえ訴外城南特殊製線および同石忠工業への貸金名下に交付することの承諾を受け、かつその際右訴外各会社から前記各金員の返還がない場合には原告が訴外筒井、同新田に同額を弁償するとの約束をなしたものであるから、前記訴外筒井、同新田名義の各通知預金を払戻して訴外大八木へ交付したことによる損害は原告の損害である。

三、被告金庫の責任

訴外大八木の前記各定期預金証書の偽造、交付は外形上は同人の権限に属する行為である。そして訴外大八木は、定期預金の譲渡についての被告金庫の承諾手続は原告の要求次第いつでもすることを確約して、右各預金証書を原告に交付したので、原告は訴外大八木に前記各金員を交付したものであり、右各金員の交付は、被告金庫の訴外城南特殊製線および同石忠工業に対する貸付という業務に関連した行為の結果なされたものである。したがって訴外大八木の前記不法行為は、被告金庫の被用者として、その事業の執行につきなされたものであるから、被告金庫は使用者として原告の損害を賠償する義務がある。

四、仮に、訴外筒井、同新田の通知預金にかかる部分について原告が訴外大八木の前記各行為による被害者でないとすれば、訴外筒井同新田が真の被害者であり、右筒井は金五〇万円の損害賠償およびこれに対する遅延損害金、同新田は金一〇〇万円の損害賠償およびこれに対する遅延損害金の各請求権を被告金庫に対して有しているものであるところ、原告は昭和四四年八月一七日訴外筒井、同新田から、右各債権を譲り受け、同年八月一八日付、同月一九日被告金庫に到達した内容証明郵便をもって右債権譲渡の通知をなした。

五、よって、原告は被告金庫に対し金二〇〇万円ならびにこれに対する昭和四一年五月二四日から右金員の支払ずみに至るまでの遅延損害金の支払を求めるため本訴に及んだ。

第四、請求原因に対する被告の認否ならびに主張

一、請求原因第一項記載の事実中、被告金庫が訴外大八木に同金庫蒲田支店の業務全般にわたりこれを処理する権限を付与した事実を否認し、その余の事実(支店長印保管の点を除く。)を認める。

但し、訴外大八木が被告金庫の支店長代理に任命されたのは昭和三九年一〇月一日であり、また訴外大八木は被告金庫の金銭貸付業務については一切権限がなかったものである。

二、同第二項(一)、(1)、記載の事実中、原告がその主張の田口計名義の定期預金証書を所持することは認めるが、原告が訴外大八木を介して被告金庫に対して訴外筒井清太郎名義で金五〇万円、同新田健吉名義で金五〇万円の各通知預金を有していた事実を否認し、その余の事実は知らない。

三、同項(一)、(2)、記載の事実中、訴外大八木が原告をして同主張の日に同主張の目的のため原告名義の金三〇万円の通知預金二口および新田健吉名義の金五〇万円の通知預金の合計金一一〇万円を被告金庫から払戻させ、そのうち金一〇〇万円を原告から交付を受け、その担保として訴外大八木が偽造した被告金庫発行名義の原告主張にかかる定期預金証書二通を原告に交付した事実を認め、その余の事実は知らない。

四、同項(二)記載の事実ならびに同項(三)記載の事実中原告が損害を受けた事実を否認し、その余の事実は知らない。

五、同第三項記載の事実は否認する。

(一)  仮に請求原因第二項(一)(1)記載のような訴外大八木の行為により原告が右大八木に訴外城南特殊製線に対する金銭融資名下に金一〇〇万円を交付したとしても、これと請求原因第二項(一)(2)との訴外大八木との各行為は、原告と訴外石忠工業、原告と訴外城南特殊製線(いずれも訴外大八木個人が面倒をみていた会社である。)との間の各金一〇〇万円の金銭消費貸借に関する仲介あるいは斡旋行為である。

ところで被告金庫の事業の範囲については信用金庫法第五三条に規定され、また出資の受入、預り金および金利等の取締等に関する法律は金融機関(信用金庫を含む)の役員、職員、その他の従業員はその地位を利用し、自己または当該金融機関以外の第三者の利益を図るため金銭の貸付、貸借の媒介、債務の保証をすることを禁止しているものであり、従って訴外大八木の前記各仲介あるいは斡旋行為は客観的に被告金庫における職務外の行為であり業務執行とは関係がない行為である。

(二)  訴外大八木が前記各定期預金証書作成に用いた用紙は預金係が正規の預金につき作成のために職務上保管していた用紙ではなく、被告金庫大森支店において業務用の予備として金庫に保管していた用紙であり、これを訴外大八木は盗み出して前記各定期預金証書を偽造したものであって他店の用紙を犯罪的手段によって入手したものを用いての右行為は外観上も職務の執行とはいえない。

(三)  仮に右(二)の主張が認められないとしても、訴外大八木の右定期預金証書の偽造および原告への交付と原告主張の損害との間には因果関係がない。すなわち、定期預金証書はそれ自体としては有価証券ではなく、取引の対象として親しまずかつ信用金庫の定期預金は金庫の所定の承諾なしには譲渡質入を禁止されており、預金証書にはその旨の記載がなされており、原告もこのことを知って前記定期預金証書を受け取ったものであり、被告金庫は右承諾をしてはいない。更に原告は昭和四〇年八月ころ、同四一年二月ころも各金一〇〇万円程度の金銭消費貸借を訴外大八木を通じて繰り返して来たものであり本件定期預金証書の交付がなければ金員を交付しなかったものとは言えない。要するに原告は、右預金証書の真偽にかかわらず、原告の訴外各会社に対する貸付により回収できない金額について損害を被ったものにすぎない。

六、同第四項の事実中、原告が原告主張の日時に同主張の内容証明郵便をもって債権譲渡の通知をし、原告主張の日時に被告金庫に到達したこと、訴外大八木の行為による真の被害者が訴外筒井、同新田であることを認め、原告が訴外筒井、同新田から原告主張の債権の譲渡を受けた事実は知らず、その余の事実を否認する。

七、同第五項は争う。

第五、被告の抗弁

一、仮に訴外大八木の行為について被告金庫に損害賠償義務があるとしても、原告は前記のように本来譲渡質入をなし得ない定期預金証書と知りながらこれを担保とし、しかも預金証書の名義人が訴外田口計、同久保田とみ、同草野茂子など借主たる訴外城南特殊製線、同石忠工業と何ら関係のない第三者名義であることを知りながら、当然これを正当な預金であると誤信して金銭を貸付けたことは貸主として著しく不注意であり、原告の損害は自らの過失に基くものであるから、右過失を損害賠償額につき斟酌せられるべきである。

二、原告主張の昭和四一年三月一三日貸付けた金一〇〇万円については原告は同日ころ金三万円、同年四月中旬ころ金三万円の合計金六万円を訴外大八木から利息名下に支払をうけているので原告の実損は金九四万円であり、また原告は同年五月一日貸付けた金一〇〇万円については右同日ころ金三万円を同訴外人より利息名下に支払を受けているので原告の実損は金九七万円である。

第六、証拠関係≪省略≫

理由

第一、一、被告金庫が訴外大八木を同金庫蒲田支店の支店長代理に任命し、訴外大八木は右支店における預金関係の業務を担当し、預金証書の発行、交付、金員の授受の権限を有し、右業務の処理に当っていた事実は当事者間に争いがなく、≪証拠省略≫によれば、訴外大八木が右支店長代理に就任したのは昭和三九年一〇月ころであること、支店長不在のときは同人が支店長印を保管する職責があったことを認めることができる。

二、しかし、訴外大八木が右支店の支店長代理として右判示以上に支店業務全般についてこれを処理する権限を有していた事実を認めるに足る証拠はない。

第二、一、次に請求原因第二項について判断するに、≪証拠省略≫を総合すると次の事実を認定することができる。

(一)  訴外大八木は、昭和四一年三月一二日ないし一三日ころ原告に対して「被告金庫がその取引先である訴外城南特殊製線に融資することになっているのだが、その貸付手当が遅れているので二五日か一ヶ月くらいの間でよいのだから金一〇〇万円くらい右貸付手続のすむまでのつなぎとして融資してやってくれ。」と持かちかけ、その担保として、予め被告金庫蒲田支店に在庫品として保管中であった定期預金証書の用紙を勝手に持出し、定期預金証書作成係の井沢某、被告金庫蒲田支店の他の一名の支店長名代理である林某の印鑑ならびに被告金庫の印鑑を勝手に使用して、真正な定期預金がないにもかかわらずあるようにして作成した被告金庫発行、田口計宛の名義の定期預金証書(証書番号=蒲田支店第七七七二号、額面金一八〇万円、期日昭和四一年九月二五日、利息年五分六厘)一通を示し、念のためこれを預けておく旨原告に申し向け、原告をして、まちがいなく約束の期日には返金されるし万一の場合も安心であるごとく信用させ、右定期預金証書一通と引換えに訴外筒井、同新田名義の被告金庫に預金してあった各金五〇万円の通知預金をいずれも満期によるものとして払戻手続をさせ、当時訴外大八木が面倒をみていた前記訴外城南特殊製線に対する貸付金名下に右合計金一〇〇万円を原告から受取った。

(二)  また訴外大八木は同年五月一日ころ、原告に対して前同様石忠工業に対し同年五月一五日までの間金一〇〇万円を貸してやってほしい旨申し入れ、原告をして当時被告金庫に預け入れていた原告の金三〇万円の通知預金二口および訴外新田名義の金五〇万円の通知預金の合計金一一〇万円の払戻手続をさせたうえ、原告から右貸金の趣旨でそのうち金一〇〇万円を受け取り、その際前同様原告に対し、念のために預けておくと言って被告金庫発行、久保田とみ宛名義の定期預金証書(証書番号―蒲田支店第三七四五号、金額金一〇〇万円、期日同年八月二三日、利息年五分六厘)および同金庫発行、草野茂子宛名義の定期預金証書(証書番号=蒲田支店第一七一九号、金額金一〇〇万円、期日同年一一月一一日、利息年五分六厘)各一通を交付したが、右久保田とみ宛名義の定期預金証書はその用紙を被告金庫蒲田支店から、草野茂子宛名義の定期預金証書はその用紙を同金庫大森支店からいずれも訴外大八木が勝手に持出したうえ前記(一)と同様の方法で偽造したものである。

以上(一)(二)を通じ、右各認定に反する原告本人尋問の結果はにわかに措信することができず、他に右認定をくつがえすに足りる証拠はない。

二、ところで前記筒井清太郎、新田健吉各名義の通知預金が実質的には原告の預金で単に名義上のみ氏名を用いているにすぎないものと認めるに足る証拠はなく、かえって≪証拠省略≫によれば、右各通知預金は実質的にも訴外筒井、同新田がそれぞれ原告の手を経て被告金庫に預け入れていたものであることが認められる。しかしながら一方、≪証拠省略≫によれば、原告は訴外大八木に前記各金員の交付手続をなすに際しては訴外筒井、同新田に右大八木が前記各定期預金証書を担保として差し入れるからということを説明し、前記各通知預金を原告が払戻し、訴外大八木に交付することの承諾を得ていたものであることが認めることができ、右事実よりすれば原告が訴外大八木に交付した前記金一〇〇万円づつ二回の合計金二〇〇万円は原告が貸主として交付したものであることが認められる。

三、従って訴外大八木は原告をして金二〇〇万円が期日までに返済されるし万一の場合も安心であると誤信させて前記二〇〇万円を交付させたものということができ、原告を右のように信じさせるために前記各定期預金証書を利用したと認めることができる。

四、訴外大八木および訴外各会社が前記各金員を弁済することが不能で原告が右金額について損害を被ったことは、本件弁論の全趣旨から明らかである。

第三、そこで被告金庫の責任について検討する。

一、前記第二の一の(一)(二)で認定したように、訴外大八木は被告金庫発行名義の定期預金証書を偽造して原告に交付したものであるが、これらの行為は、前記第一の一に認定した事実および信用金庫法の規定から考えて、外形的、客観的に、被告金庫の事業の範囲内に属しかつ訴外大八木の職務権限内の行為であるから、被告金庫の事業の執行についてした行為と認めることができる。

二、次に訴外大八木が原告から金二〇〇万円を受領した行為は、第二の一の(一)(二)に認定した行為の態様および信用金庫法の規定からみて、被告金庫として金員を受け入れるのでなく、訴外大八木が訴外城南特殊製線ならびに訴外石忠工業に対する貸金を個人的に仲介する行為であると認められ、外形上も被告金庫の業務の執行ないしはこれに関係してなされたものとは到底認めがたい。しかしながら、これと、前記一の定期預金証書偽造交付とが相当因果関係によって結びつくかぎり、全体として訴外大八木のした不法行為となり(この場合原告の金員交付は損害発生の原因事実である。)、被告金庫として使用者責任を負うことになりうるので、右因果関係について考える。

三、元来定期預金はその性質上流通に親しむものではなく、≪証拠省略≫によると、本件各定期預金についても被告金庫の承諾なくしての譲渡、質入が禁止され、その旨預金証書に記載されていることが認められ、現に原告への譲渡について被告金庫の承諾のないことは弁論の全趣旨から明らかである。したがって本件預金証書を原告に交付しただけでは原告の貸金の担保にならない。原告本人尋問の結果中、訴人大八木は貸金回収不能の場合右承諾手続をすることを確約したとの部分は、証人大八木の証言にてらしてにわかに措信できず、ほかにこの事実を認めるに足りる証拠はなく、元来訴外大八木には承諾権限があるとは認められない。かえって≪証拠省略≫によれば、右原告の訴外各会社に対する貸金については、訴外各会社振出にかかるいずれも金額一〇〇万円の約束手形各一通を訴外大八木から原告に交付(訴外城南特殊製線の分は訴外大八木が白地裏書、訴外石忠工業の分は受取人白地のまま交付)しているのであり、本件預金証書はそれに加えて念のため交付したのであることが認められる。

しかも右各預金証書の名義人は貸付の相手方ではなく、関係も不明である。

以上の事実のほか、≪証拠省略≫によれば、原告は本件以前にも昭和四〇年ころ訴外大八木に貸付の仲介を受け、月三分位の金利をとって一〇〇万円程度を同人に交付したことがあること(そして本件の場合も月三分ないし四分の金利を受け取った。)が認められるので、これらの事実をあわせ考えれば、原告が本件金員を交付したについては、本件各定期預金証書交付が有力な動機になっていないし、客観的にもそのような性質をもたないものと認められる。

したがって本件各定期預金証書の偽造交付と、原告の金員交付したがってまた原告の受けた損害との間には、相当因果関係を欠くというべきである。この点手形あるいは株式のように元来流通性の強いものを換価あるいは担保に供した場合とは異るものである。

第四、以上によれば原告の損害は被告金庫の業務の執行について訴外大八木がなした行為の結果発生したと認めることができず、従ってその余の点について判断するまでもなく原告の請求は理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき、民事訴訟法第八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小堀勇)

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